3/13/2016

ビタースイートカカオ(bitter sweet Cacao)*Vol.7 思い出深い場所・・☆

〜ヘリタンス・アフンガッラホテル〜
年内に帰国を予定していた雅子さんは

家の家具や施術道具などをどう整理して行くか

日々模索していた。

必要としている人に売るか?譲か?

日本へ持って帰られるのか?

スリランカの家具は大きいので

全部、日本へ持ち帰るのは不可能だった。

でも、特注で作ったものも多く、

可能な限り、日本へ持ち帰りたいと考えていた。

そんな中、4年前最初に作ったアフンガッラの家も

手放さざる終えなくなり、

知り合いの不動産に声をかけたり広告を出して

何とか2ヶ月以内に売却しなければならなかった。

emyが最初に訪れたアフンガッラの家は

まだ半分くらいしか完成していなかった。

それから数ヶ月して素晴らしい

アーユル・ヴェーダの施術付きハウスとして 完成したが、

雅子さんたちはゴールフォートへ引っ越しをした。

今回、コロンボに滞在していた時、

ある不動産の仲介業者から

『家を見てみたい』と言う連絡が入った。

そして3日間の集中トリートメントが終わった後、

みんなでアフンガッラへ行く事にした。

雅子さんは私事に付き合わせるようで

申し訳ないと恐縮していたけれど、

見る事が出来なかった完成状態のゲストハウスを

しっかりとこの目におさめたかった。

だから自分から 

『是非、行きたい!』

と申し出た。 

コロンボから車で片道3時間以上。

決して近い距離ではない。

都会のコロンボから高速で向かっていると

懐かしい田舎の風景が広がっている。

道には牛も歩いていて、信号は全くなく

道路の状態も極端に悪くなる。

左手に広がるビーチを見ながら

4年前の大変だった日々がまた走馬灯のように

頭の中を駆け巡った。

『あの時の家からは想像出来ないくらい、
ちゃんと仕上がっているんですよ・笑』

雅子さんは笑いながら言った。

広い道路から狭い道へ入り、

線路を渡った先にある寺院を曲がると

ゲストハウスに通じる道へ繋がっている。

相変わらず舗装されていないでこぼこ道を進んで行くと

立派な門が目の前に現れた。

4年前は門が無かったので

まず最初、しっかりとセキュリティーが整っている事に

驚いた。

そして門が開くと奥には奇麗に敷かれた芝生に花壇、

石を敷き詰めた道が真ん中に出来ていて更に驚いた。

其処には素晴らしいアーユル・ヴェーダの施術付きハウスが

出来上がっていた。

4年前とは雲泥の差だった。

(此処を手放すのか・・)

emy自身がとても残念な気持ちに陥ってしまった。

でも、その思いは彼女自身が感じている事。

深く追求せず、言葉に出来ない複雑な思いを

心の中へ押し込んだ。

子供たちは車から降りるや否や、

鉄のブランコに乗って遊び出した。

そして雅子さんは不動産業者が到着する前に

テラピールームからゲストルームまで中が見られるように

鍵を開けていった。

〜to be next 〜  

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