2/11/2015

幻想櫻記*Vol.3 たまこのサイン・・☆

〜太閤の桜で有名な京都・醍醐寺〜

古代エジプトの時代からネコは神使いとして崇敬されていた。

女神・バステトは太陽が沈んだ後、

猫の姿に変身をして夜行性の目を生かし

邪悪な蛇などから家族を守ったと言われている。

太陽の動きによって変化する目の形・・

きっと古代エジプト人からすると

その変化に脅威を感じていたのかもしれない。

またある一説によると、動物の中でも特に猫は霊感が強く、

側にいるとその霊感が移る事もあるらしい。

そして日本猫は特に霊感が強く、

いじめたり、邪見な扱いをすると

化けて出てくる・・これも日本昔話で登場する

『妖怪・化け猫』伝説である。

エジプトでは神なのに日本では妖怪・笑。

どちらにしろ、彼らの気高さと神秘性は

一度、触れてしまうと心の中をわしづかみにされる事は

間違いない。

たまこは初めて飼った猫だったけれど、

日に日に彼女の神秘性に魅かれて行った。

子猫の時から勘が鋭く、

何か私の身によからぬ事が起こる時、

たまこは必要以上に鳴いたり変な行動を取って

警告のサインを送っていた。

その中でも特に印象的だったのが、

10年前、東京から関西へ戻って来た年に起きてしまった

大きな自動車事故。

その日は午後、大阪で人と会う約束をしていて

慌てて準備をし、出かけようとしていた。

玄関先でたまこはいきなり変な咳をし出して

私の行く手を遮った。

あまりにも突然、具合が悪そうになった事に

驚きつつも、

『どうしたの?たまこ
ごめん・・行かなあかんねん・・』

と心配しながら、車に乗り込んだ15分後に

大きな事故に遭ってしまった。

右側から車が猛スピードで突っ込んで来て

車が回転しながら電柱に激突をした。

救急車で運ばれる担架の上で

(たまこはこの事を察知していたのか・・)

と思った。

後にも先にもここまでいきなり具合が

悪くなったたまこは見た事が無い。

そして私以外の事でもたまこは

サインを送ってくる事がある。

これも不思議な話だが、

当時住んでいたマンションに

毎週来てくれるヤクルトおばちゃんがいた。

玄関先でたわいもない話で盛り上がる事もあったが、

たまこは何時も部屋の奥から出て来なかった。

しかし、その日は珍しくたまこが玄関先に出て来て

ヤクルトおばちゃんの足下へやって来た。

しかも私の顔とおばちゃんの顔を交互に見ながら

何か言いたげな顔をしている・・。

『この子、勘が鋭いからこんなにおばちゃんの顔を見るのは
気になる事があるみたい・・
おばちゃん、何かありました?』

するとさっきまで陽気な感じで喋っていた

おばちゃんの顔がいきなり真剣な表情に変わり一言。

 『あ〜〜・・やっぱり病院へ行った方がええんかな?』

その言葉を聞くとたまこはすっと部屋へ戻っていった。

『え?どこか具合が悪いんですか??』

と思わず聞きなおすと、

『いや!別に何ともないんやけど
あのネコちゃんの顔を見てたら
医者に行った方がええかと思ったんや~』

と言って帰って行った。

それから数日後、ヤクルトおばちゃんから電話があった。

『いや~・・やっぱりあのネコちゃん凄いわ!
ちょっと気になって病院行ったら
甲状腺に悪いもんが見つかって、
これから2ヶ月休まなあかんわ・・
ほんま、命の恩人です・・
そしてしばらく代理の人が行くから宜しくね~』

 偶然かもしれないけれど、

たまこはやはり何かを察知したのだろうか?

どちらにしろ、ヤクルトおばちゃんが

大事に至らず良かった。

そして電話を切った後、

思わずテーブルの上でくつろぐたまこに

御礼を言ってしまった。

こんな感じでたまこは様々なサインを送って来た。 

年を重ねる事にたまこのサインは益々強力になって行った。

   
to be next・・

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