11/17/2014

ゴール・フォートの大和撫子 Vol.6 魂が宿る料理・・☆

〜雅子さんはほぼ毎日、天然酵母のパンを焼いている〜

『マネージャーが入れるマサラティーは本当に美味しいんですよ!

と雅子さんは言う。

彼女の言葉で気付かされるのだが、

人が心を込めて入れるお茶や心を込めて作る料理は

シンプルな素材やレシピでも美味しく感じる・・。

何故だろう?

それは多少、慣れやテクニックの要素も

入って来るのかもしれないけれど、

料理の中に『人の気』が入って

調理された後、魂が宿るのか・・?

食べてもらう人の喜ぶ顔を思い描きながら

料理を作ると、どんな物でも美味しい物へと変化する。

調理するための野菜に包丁を入れる時、

煮込む時、炒める時・・

受けて側の素材たちは、魂を入れれる事によって

五感を刺激するものにも変わっていく。

大げさかもしれないけれど、

魂の入れ具合によって栄養価も変わってしまうんじゃないかと

思う事もある。

何げなく食べ物を身体の中へ入れているかもしれない。

でも、身体は正直にその結果を出して行く・・。

今回の滞在ではそんな雅子さんの魂が宿っている料理を

毎日頂いていた。

そして日々、身体の中が変化して行くのも

実感出来ていた。

魂が宿る料理のエネルギーは本当に凄かった。

帰国して2週間以上経っている今も、

その効果が持続されている。

(またその辺りも今後じっくりと書く予定!)

雅子さんは、家族の食事からクレンズ・ジュース、

パンの仕込みに至るまで 

1日の大半を台所で過ごしている。

その作業は夜中近くまで続く事もしばし。

2階で遊んでいる子供たちも、ママの顔が見たくて、

台所の方へ近づいて来るけれど、

ママの神域へ入ってくる事は許されていない。

 そう・・

雅子さんにとって様々な食べ物が作り出されるのは

まさに『神域』なのだ。

それでもボーイズは必死にママの足下へやって来る。

時に最大の武器である『涙』でママの気を引こうとする。

でも、ママはそんなボーイズたちに一言。

『ここに来たらあかんゆーたやろ!
なんべんゆーたらわかんねん!!』

あらら・・雅子さん・・

あなたに関西のおばちゃんは似合わないよ・笑。
  

そしてテーブルの上にはジュースに使う為の

オーガニック野菜が山のように積まれいる。

あまりに奇麗な野菜たちは皮までたっぷりと栄養が

浸透しているようだ。




 そして彼女は『有次』の包丁を愛用している。

最初に買ったのは二十歳の時のペティーナイフだそうだ。

今では世界の一流シェフたちに愛用されているニッポンの『有次』

 子供の頃、ケーキ屋さんを作る事が夢だった彼女は

二十歳で既に有次を選ぶ所に職人気質を感じる。

 そしてスリランカへ来る前、

雅子さんから頼まれていた事があった。

それは今は亡き雅子さんのお母さんから受け継いだ

『有次』の包丁が欠けてしまって

その変わりとなる新しい包丁を

買って来て欲しいとの事だった。

京都の錦市場の『有次』は何時でも直ぐに行ける場所。

『何かのついでで結構ですから・・』

と気を使って言っていたけれど、

せまい京都、気を使われる距離など何処にもない。

ラインで雅子さんに包丁の写真を送って来てもらっていた。

 数十年前の物だろうか?

いぶし銀に輝く包丁はかなり年期が入っていた。

老舗には同じ物が置いてあるかと思いきや、

お店の人にその写真を見せると

今、この形は無いと言われた。

それではせめてこの形に最も近いものを・・

お店の人と相談しながら頼まれていた

『牛刀』『ペティーナイフ』

を買った。

そしてペティーナイフの方には

『雅子』

と名前を彫ってもらった。   
  
『有次』で包丁を買うとその場で直ぐ研いでくれる。

研がれている間、店内の商品を見ていると

シャッターが閉められていた。

時計を見るとまだ夕方の17時30分過ぎ・・。

『閉店の時間ですか??すいません!』

 『今日だけ17時30分に閉まる日なんでよ!』

と定員さんは答えてくれた。

さすが、京都!

たまに想定外の時間に閉まる老舗も多いので、

お店の閉店時間をチェックしてから向かう事も多い。

でも、この日は閉店時間をチェックしていなかったので

ギリギリセーフ・・と言う感じだった。

研がれている包丁を見ながら

ふと開店祝いのお土産にしようと思った。

普通、ジンクス的に

『包丁を送る』

と言うのはあまり縁起の良い事ではない。

でも、ジンクスは所詮、ジンクス・・。

やっぱり開店祝いにしようと思った。

そしてスリランカで雅子さんに包丁を渡した時、

凄く喜んでくれて、大事そうになかなか箱の中身を

開けなかった。

『スリランカ人って何でも包丁で切るので
勝手に使われると困りますし、
マネージャーとかスタッフに言ってから
使います!笑』

と言っていた。

どうやら、ハサミやカッターのように

何でも包丁一つで片付けてしまうらしい・・。

また異文化感覚の話を聞いてしまった。  

夜は仕込みの時間、朝はパンが焼き上がる時間。

滞在中、美味しそうなパンが焼き上がるのを

何回も見ていた。

  

『今日は初めてシナモンロールを焼きました!』

そういって焼きたてのシナモンロールがテーブルにあった。

『でも失敗しちゃって・・』

あれ?・・何処が失敗??

そして冷ました後、真っ黒に焦げている裏の部分を見せてくれた。

『あ〜〜・・ショック!
キトゥルハニーが全部下に溜って焦げちゃいました!
こんな焦げたの食べられませんよね?』

せっかく焼いたパンが食べられないのはもったいない!

『裏を見ちゃったらモーレツに焦げた味を
感じるけど、表は全く普通だから大丈夫だよ!笑』

そうそう・・

ここはイメトレで焦げた裏さえ見なければ、

普通の味に感じるはず!!

そして何喰わぬ顔をしてボーイズたちに

お皿にのったシナモンロールを渡した。

するとシナモンロールを手にとったルアンちゃんが、

いきなり裏を覗き込んで一言。

『何で焦げてんの?』

思わずemyも雅子さんもお互い目配せして

苦笑いしてしまった。

でも、結果的に言ってボーイズたちもリラちゃんも

お焦げを気にせず美味しく食べているように見えた・笑
  
to be next・・

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