8/25/2014

海を渡った大和撫子たち*Vol.6 天使と悪魔・・ ☆

〜スリランカ・コロンボ/シーマ・マラカヤ寺院〜

ある古代書物には

『人は土から生まれ天使は火から生まれた』

と記されている。

そして、火から生まれた天使は、己の力に傲慢になり神に成り代われると

勘違いをし、それが神々の怒りにふれ、堕天使へと陥る・・。

これが簡単に言う悪魔の誕生だ。

なので『天使と悪魔』は元々、同一。

しかも、仏教の世界では鬼が悟りを開く事によって菩薩へと

変われるのに対し、キリスト教の世界では一度、悪魔に堕天したものは

二度と天使へ戻る事が出来ない。

それでは日本ではどうであろう?

やはり神々は二つの要素を兼ね備えている。

『火から生まれた天使』と聞いてすぐに思い浮かぶのは

蘇生女神の『イザナミ』だ。

イザナミは森羅万象の神々を産み落とした後、最後に生んだ

『火の神』のせいで黄泉の国へと旅立った。

そして生命の糧となる『食』を司る台所の神様でもある。

しかし、其処で奉られているのは『荒神』として奉られている。

そう・・荒神さんは、荒ぶる神としてでも火の元の災いを

守っているである。

この様に恵みを与える神は時として荒ぶる神へと変わる・・。

それは大きく見ると自然の摂理と同じだ。

人間の心の中にも『天使と悪魔』が存在しているのではないかと

感じる事がある。

それを目の当たりにしたのが、サマンさんだった。

雅子さんの旦那様であるサマンさんは、日本に居る数年間、

本当に天使のような人だった。

慈愛に溢れ、彼女を大きな愛情で包み込み、

最初は言語も文化、習慣も全く異なる異国の地で

一生懸命日本語を覚え、彼女の仕事の支えにもなっていた。

傍から見てもとても仲の良い夫婦で、

一度、野外のオペラコンサートへ一緒に行った時、

仲良く手を繋いで寄り添っていた姿が忘れられない。

二人の姿を何時も微笑ましく見守っていたので

スリランカへ移住する事も何も心配をしていなかった。

大阪のサロンも続けて行くと言う事で、

スリランカで建築しているゲストハウスも

彼の実家の近くで進めていた。

それは彼女が日本へ一時帰国している間、

彼と彼の家族が子供たちの面倒を見る予定だったからだ。

お国柄、何かと建築や準備に遅れがちだったが、

今度は逆で、異国の地へ渡った雅子さんを

彼がしっかりとサポートしていると思っていた。

そして彼女がスリランカへ移住した後、

ゲストハウスなど彼女が新しく始める

アーユル・ヴェーダサロンのHPを作るために

写真を撮る約束をしていた。

家族が移住して半年・・

相変わらず、建築関係は滞っている部分があったけれど、

何とか進めているようだったので、

写真を撮りにスリランカへ向かった。

首都コロンボに到着すると雅子さん一家が出迎えてくれた。

しかし、遠くで手を振りながら近づいて来た雅子さんの姿を見て

驚愕した。

何故なら驚く程、やせ細っていたからだ。

スリランカへ行く前に、サマンさんの態度が変わって来た事を

聞いていたけれど、

彼女自身を見ると、尋常じゃない事に嫌でも気がつく。

そして彼の目も少しうつろになっていた。

あの天使の様な彼が何故此処まで変わるのか??

全く理解出来なかった。

日本であれだけ幸せな姿を見ていたので、

そのギャップに苦しんだ。

彼女はスリランカへ行くべきではなかったのか?

思わず客観的にタロットカードが引きたくなったくらいだ。

そして、コロンボから買い物をしながら約6時間後に

家に到着。

まだ未完成のゲストハウスだったけれど、

emyが泊まる部屋だけは一生懸命仕上げた感じだった。

4月のテレビ番組でもその時の苦労を雅子さんは語っていたが、

emyが滞在していた時も既に恐ろしい事が始まっていた。

到着して2日後に彼は家出をした。

その間、雨水を貯めて利用している水は停電の影響で

全て止まってしまった。

夜はロウソクの火を灯し、井戸から何度も水を汲み、

何とか夜が空けるのを待った。

こんな時、当時1歳のサハンちゃんが異常な程、

激しくぐずる。

それは父親が出ていったのを察知しているからではない。

何か邪気のようなものが近づいているのが解っていたのだと思う。

邪気・・狂気の沙汰に聞こえるかもしれないが、

彼が家出をすると、ホラー映画のような現象が起こった。

その中でも一番強烈なのは『蟻』

虫に刺されないように天蓋付きのベッドに寝ていたのだが、

明け方、背中にチクリと何かに刺されたような感じがして飛び起きた。

何だろうと思い電気をつけると、背中から枕からびっしりと蟻の大群が、

ベットにわいていた。

何処から来るのか?この大量の蟻・・。

不思議な事にベットシーツの上だけに蟻が群がっていた。

後日、雅子さんに聞くと後にも先にもこんな現象は、

emyだけ経験したようだった。

そして次に酷かったのがゴキブリだった。

彼が出て行くと、ゴキブリが大量発生した。

『虫』は夢の世界でも障害を意味するけれど、

彼が何かをしでかすと害虫が異常発生するのだ。

結局emyが滞在している時、彼は3日間くらいしか家にいなかった。

そんな大変な状況でも、彼女は一生懸命トリートをしてくれた。

色んな事があっても子供たちとボートに乗って寺院へ行ったり、

世界遺産の都市、ゴールフォートへ観光に行ったりと

楽しい思い出も沢山出来た。

スリランカで新しい人生を歩もうとしている彼女に

次々と災難が起こるのが心配でならなかった。

帰国する時は23時過ぎと遅い便だったので、

コロンボで最後にお買い物をしたり美味しいものを食べたりしていた。

そして空港へ近づくにつれ、

またサハンちゃんが異常にぐずり始め、

大声でずっと泣きわめいていた。

(また、彼が何かをしでかしているのか?・・)

残念な事にこの予見は的中していた。

トランジットのタイ・バンコクへ到着した時、

雅子さんからメールが来ていた。

どうやら、私たちが家を空けている間、

彼が金庫のカギを壊し、お金を盗んで姿をくらました。

何故??こーなってしまうのか・・

彼は本当にピュアだった。

あれだけピュアな人間が堕落すると、悪魔に変身してしまうのか?

異国の地で奮闘する雅子さんの姿を心配しながら日本へ戻った。

to be  next


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