5/12/2014

太陽と月の間と私・・*Vol.2 ハードボイルド女・・☆

〜朱の柱に浮き立つ白い神獣神たち〜

『君は女版、ハードボイルドだね!』

レンズの先に葉巻をくわえたハードボイルド作家・北方謙三氏が

emyに向かって言葉をかける。

『え??』

あまりに突飛な言葉に一瞬戸惑っていると、

北方氏は続けざまに言葉を投げかけた。

『僕はね・・女性のカメラマンにレンズを向けられるのは始めてでね、
そして、君〜ほら・・そのジーンズにじゃらじゃら付けた鍵の音がね・・
何だか格好良いと思ったわけよ!
気を悪くしないでよ!褒め言葉で言ったんだから・・』  

 北方氏は文章だけでなく声もかなり渋い・・。

鋭い眼光の奥には優しさも秘めていて、

思わずシャッターを切る手がしばらく止まってしまった。

それにしても気を悪くするなんて・・滅相もない。

ハードボイルド作家に『女版、ハードボイルド』なんて

言葉をかけられた程、光栄な事は無い。

でも、欲を言えば

『バーのカウンターが似合う女性だね・・』

なんて言われてみたいものだけれど・・笑。

東京でフリーランスカメラマンの時代、

多くの著名人・文化人・芸能人のポートレートを撮影する機会が多かった。

何時もメディアの先でしか見た事もない偉人たちに会える事は

カメラマンの仕事冥利につきる部分もあるけれど、

何より彼らの生きた言葉を聞ける程、貴重な体験は無かった。

今こそ『女性カメラマン』の比重が男性を越える勢いだけれど、

emyがカメラマンの仕事をしている時はまだまだ少数派。

行く先々で驚かれる事が多々あった。

とある雑誌の取材で都内のホテルで原稿書きの缶詰状態になっていた

北方氏は小説を越えるダンディズムに満ち溢れていた。

数多くお会いした著名人の中でも特に北方氏の言葉は

忘れられない印象深いものが多かった。

そして『女版、ハードボイルド』と言われたのは

北方氏以外でもあった。

その著名人はこれまたハードボイルド系も書かれる大沢在昌氏。

彼の事務所で撮影のセッティングをしていると、

『君〜・・何かかっこい良いね〜女ハードボイルドって感じ!』

2度もこんな風に言われるとよっぽど眉間にシワを寄せて

可愛げのない男女の勢いで仕事をしているのかと思ってしまった・笑。   

今でも『女版、ハードボイルド』と言われた事を

ふとした時に思い出す事がある。

そのせいか、ブログを書いていても何故か放浪記は

完結系の言葉で書きたくなってしまう。

一種のハードボイルド調(?)

これは同じパターンや同じ話題を繰り返したくない

性格から来ているものもある。

悪く言えば『飽き性』なのかもしれない・笑。

もう1つ言えば、無意識にバランスを取るように

心がけているかもしれない。

以前、ブログやコラムにも『バランスを取る事の大切さ』について

何度か書いているが、実際の日常生活の中でも

かなり意識をしているのも確かだ。

食事の栄養に始まり、仕事、家族や友人との距離そして人間関係etc・・

そしてそれは人間だけでなく動物の世界でも同じで、

愛猫2匹も絶妙な距離感で双方の様子を伺っている。

この『バランス』が崩れて来ると、健康に影響が出るのもとーぜんだが

心の中の視野も狭くなり、とても大事なサインを

いくつも見逃すようになってしまう・・。

 (この『バランス』について書いているコラムはこちらから・・)

今回、『未知の国、東北』へ行きたくなったのも、

ここ最近、どっぷりと『太陽神』の世界に

浸かり過ぎていたからかもしれない。 

陽のエネルギーの天照大神に引き込まれ過ぎると、

陰のエネルギーの月讀 の神秘のエネルギーを

身体が欲していたのかもしれない。

先月、伊勢で開催した参拝ツアーで、

予定に入れていなかった『月讀宮』へ急遽、行ける事になったのも

バランスをちゃんと取れるように神々が

計らってくれたような感じだった・笑。

『陰のエネルギー』と言う響きはネガティブワードのように

感じるかもしれないけれど、

時に光だけでなく其処に落ちる影の部分を見る事は

決して悪い事では無いと思う。

このバランスを取ろうとする感覚は

歳を重ねる事に無意識に取り入れていくようになった。

なので、あまり深く考えていなくても

『天照大神=月讀』と瞬時に考えてしまっているのかもしれない。

それにしても神社参拝までバランスを考えてしまうなんて

本末転倒もいい所・笑。

〜霧が深くひっそりとした参道〜
そして羽黒山の深い霧『女版、ハードボイルドの感覚も

呼び覚ましてくれた・・。

to be next・・

 
      

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